令和8年5月6日

五ヶ瀬川沿いの細い道を進んでいく。山の緑が濃く、ガードレールの向こうには川が続く。影待駅跡へ向かう道は、駅へ行くというより、「探しに行く」感が強い。

影待駅は、かつて日之影町大字七折にあった高千穂鉄道高千穂線の駅跡。駅へ向かうには急な階段を上る必要がある。そして、その登り口を探すのが中々たいへん。



入口らしき斜面を緑をかき分けながら進むと、錆びた鉄階段がちらりと見えた。


鉄階段は錆び、踊り場部分は完全に抜け落ちて機能していない。仕方がないので、木にしがみつきながら脇を登った。

鉄階段さえ越えればあとは簡単。石段が続く。だが、この先に駅があったとはにわかには信じがたい。


登り切ると、緑の中に隧道が現れた。ここを線路が通っていた。暗がりの向こうにまた緑が見えている。駅名標も列車もないのに、線路が通っていた場所の気配だけははっきり残っている。



ホーム跡。落ち葉が厚く積もっていた。高千穂鉄道は平成17年9月の台風14号で甚大な被害を受け、全線運休となった。その後、復旧・運行再開を断念し、全線廃止となった。


草木が伸び伸びに伸び、ホーム上でさえ、歩くのが困難になりつつある。


もう一つの駅への道があるのか、上方へと続く階段もあった。旧高千穂鉄道は現在、一部の区間でスーパーカートが楽しめる。他にも、深角駅など、容易に訪問可能な駅跡もいくつかあるので、気になる方はこのサイトの検索欄で「高千穂」と打てば沢山見つかるよ。

ホーム下をくぐる通路。

帰りは、来た道を慎重に下った。振り返ると、ホームもトンネルもすぐ緑に隠れてしまっていた。影待駅跡は、まさに名前の通り、影の中で時間を待っているような廃駅だった。