令和8年7月19日

朝来市生野町の山中、播但線の長谷駅から生野駅間に架かる上市川橋梁へやってきた。市川を越えるための橋だ。雲は多く、狙っていた天気ではなかった。しばらく待っていると、森の左手から朱色の単行列車がひょこりと現れた。

全国でも少なくなった国鉄車両。たらこ色の一両列車が進んでいく。播但線は姫路駅から和田山駅を結ぶ約65キロメートルの路線。姫路を出てからは都市部を離れ、川と山と集落沿いを走る路線だ。

列車が橋の上を通過する時間は、ほんの十秒くらい。川の表面が荒れていなければ、列車が川面に綺麗に写って綺麗だろう。そして向こうに青空が見えていれば…。これはいつかリベンジができるならばしたいところだ。その頃まで、キハ40系が走っていることを願う。

静かな川、褐色の橋、そして朱色の気動車。播但線らしい旅情が、わずかな通過時間の中に凝縮されていた。