令和2年9月5日
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栃木県北部にある那須高原展望台ほど近くにあるはい旅館にやってきた。ここは今年の1月に下見に来ており、いつか来てみたいと温めていた場所であり、今回ようやく足を踏み入れることになった。
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平成17年に閉業したとのことで建物自体はまだしっかりしているが、窓ガラス等はほとんど全てが割られている状態だ。そのためフリーで入ることができる。
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正面の入り口を入るとロビーになっておりこのような2階までの吹き抜け構造と壁一面を覆うガラスに圧倒される。
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黒磯の街並みを見下ろせ、外には望遠鏡が1機残されていた。
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さて、ロビーから離れ散策を進めていこう、このホテルは地上3階地下1階の計4層からなっており、このロビーは2階となっている。大方明るいエリアであるがこのように少し裏に回ればかなり暗い。怖がりの自分にとっては、この暗さで既に嫌になる。
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ちなみに手持ち灯とヘッドライトをつけて探索している。これは見たままの明るさであるが、
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ストロボを炊くとご覧のようにかなり明るい。常時このくらいの明るさになるような明かりを手に入れたいものだ。
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早速1階へ降りる階段も見つけたが、なんだかとっても暗くて怖いので先に階の客室エリアを探索することとしよう。
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廊下は薄暗くはあるがライト無しで歩くことができる。
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部屋はこのようにほとんど全てが撤去され伽藍洞になっている。このホテル内全部に言えることだが、残留物はほとんどないため、残留物を楽しむと言う探索はできないのが残念なポイントだ。
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こちらは御手洗。
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洗面台があったであろう所に「コックをお閉めください」と言う注意書きがあるが、コックという単語は最近めっきり見なくなった気がする。
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男性用御手洗。治安が崩壊した世紀末的な雰囲気が漂う。
さらに奥へ進むと階段がある。上に登ってみよう。
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階段の踊り場からは、今でもとてもきれいな景色を拝むことができる。このホテルの売りはロビーからの景色でも分かるとおり、なんといっても那須高原を一望できるこの景色である。
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まもなく3階へ到達する。
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ロビーの裏手あたりにはリフトが二台あり50kgまでの物の昇降が可能であったようだ。
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階段を上って進んでいくと先程のロビーの上部に到達する。吹き抜け構造となっている場所は上から見るとこのようになっており、やはり絶景が見える。
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こちらの客室はバスタブのみが残留物として残っていた。一応ほとんどの部屋を見てみたが残留物としては、このバスタブ以外見つけることができなかった。また、客室の扉さえもがほとんど取り払わられていた。
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ベランダ。仕切りは何者かによって破られている。
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本当に今日はいい天気だ。
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さて客室の廊下を進んでいくと今度は非常用の階段がある。今いるのは3階でこの上は屋上であるため、後は降りるしかない。そのためこの階段を降りてみよう。なかなか怖い。階段自体はしっかりしているが、景色が景色だけに少し圧倒されてしまう。
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下から見ると何の変哲もない階段であるが、1段1段がかなり狭いため、踵あるいはつま先だけで上り降りするような格好である。
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降りた先の部屋は大きな空間となっており角の2つはガラス張りとなっている。こちらもかなりきれいな景色が見えるため、喫茶スペースなどの共用スペースであったと思われる。
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進んでいくとまたご覧のような暗い階段があった。仕方がない。降りるか。
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なぜかタウンページが落ちていた。平成28年のものであるため営業後誰かが持ってきたようだ。
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廃墟の代名詞とも言える、1つ寂しく置かれた椅子。
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こちらの大部屋にも、
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椅子がこのように2つ置かれている。2つとも足は3つしかないのに、
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片方はしっかりと立っており
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片方は倒れてしまっている。同じ環境下に置かれてもつぶれてしまう人間と、やり抜く人間がいるような、社会の縮図が垣間見えた気がした。
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さらに降りて地階へ到達した。こちらは厨房であろうか。何やら大きなものが置かれていた。
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おっと危ない、足元が暗くてよく見えなかったが、このような穴も存在する。
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この部屋は何だろうか。小さな窓が1つだけ置かれ、なぜか冷蔵庫が置かれている。他の残留物がないだけになぜこれだけが取り残されたのか、理由が知りたい。
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1階へ上る。正面の入口から入って左側の1階の客室のみが扉がつけられたままになっていた。
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ボイラー室のようなもの。
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世紀末昔御手洗②。
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この写真はあまり覚えていないが、恐らく地下1階再び降りたのだろう。
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廊下の1番端まで降りるとさらに下へ下る細長い廊下がありそちらをどんどん進んで行くと、
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大浴場へ到達する。
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360度見渡せる大露天風呂が売りであったらしいが、今となっては自然に飲み込まれ面影はほとんど残っていない。
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どちらが男性用だったのかは分からないが
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景色はどちら側もよろしかった。
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洗面台。六角形のデザインが施されている。
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大浴場へと続く廊下の途中に扉が一つあり開けてみると、これは何であろうか、プールであろうか、何かしらの跡地が見つけられた。
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ホテルの全てが探索し終えたため出口へと向かった。那須岳向かう道がすぐ脇を通っているため自動車が通る音も聞こえる。そしてご覧のような夏の日差し、雲が広がり、廃墟探索で汗ばんだ自分を、現実世界へと引き戻すのであった。