令和3年5月9日
昭和60年に廃止された万字線は、岩見沢市内から東へ、万字炭山駅までつながっていた。今回の万字駅は終着の一個手前の駅だ。
現在は簡易郵便局に転用されている。簡易郵便局としては、かつての駅前の名残から、かなり大きめの広場(駐車場)が整備されており、なんだかミスマッチな様子。どうやらバスの発着場としても使用されているらしい。
表面からは、駅らしくない感じがするが、郵便局の裏手からは、かつてのホームに下る階段が残されている。
階段を下り切ると、ホームの跡が残っていた。線路は取り払われすでに自然に溶け込まれているが、それでもかつて、この方向に線路が延びていたのだろうな、という面影は残っている。元々、駅舎よりもホームの方が下がった位置にあるという珍しい構造をしており、駅前を走る市道から鉄路を確認できるものではないため、郵便局が廃駅であるというのは、周辺住民か物好きしかわからないことだろう。線路跡は、もうじき自然に還る勢いだ。そうなってしまったら、いよいよ、駅だったという面影は建物の前にある石碑のみとなってしまうことだろう。