【青森】明治以前建設の鄙び客舎、温湯温泉 後藤温泉客舎に宿泊!

令和3年10月30日、再訪:令和7年2月25日

綺麗な紅葉と至高の温泉を求めて青森にやって来た。自宅のある札幌から高速バスで苫小牧に出た後、船に8時間乗って八戸、そこからレンタカーでここ黒石市にある温湯(ぬるゆ)温泉まで来た。
ここは小さいながらも古い建物が残っており、風情のある街並。宿に入る前にちょっくらあたりを散歩してみる。
薬局。
青森では、客舎(かくしゃ)と呼ばれる宿泊形態がある。簡単にいえば、温泉街にある温泉を持たない宿泊所である。訪問客は宿に泊まりつつ、風呂は温泉街にある共同浴場を利用する形だ。古来の温泉旅行の楽しみ方でもある。青森県内には昔、多くの客舎が存在していたが、廃業したり温泉旅館に転用されたりして現存する純粋な客舎は1つしかない。写真はかつて客舎であったが、現在は温泉旅館となっている。
そして県内唯一の現存する客舎、後藤客舎は写真右側の建物である。本日の宿である。奥の商店の佇まいが素晴らしい。店内の商品は割高であったが、お菓子を2つ購入した。
入口。
ごめんくださ〜い
すると隣の棟からおばあさんが出て来た。素泊り3500円だ。ここまでに客舎内の写真を3枚上げたが、これらに惹かれたのであれば3500円はとても安い。
客室。今日の宿泊者は自分だけらしい。
「冷蔵庫にリンゴが入っています」と言われた。なんと3つも入っていた。美味しくいただいた。
しかも、温泉前の共同浴場(250円)の券もついていた。リンゴ代を安く見積もっても、宿泊代は3000円程度だ。お得すぎる。そしてこの窓枠のデザイン。大正モダンだ。建物の建築年は不詳だが少なくとも100年以上、もしかしたら江戸時代末期にまで遡るらしい。
客舎内を回ってみる。炊事場。
日めくりカレンダー。
お手洗い。男女共用。大便器は洋式2つ。
さて、日が暮れたので夜明かりに照らされた街を見に行ってみよう。
客舎と商店。この景色、素敵すぎないか・・・?
商店。光の発し具合がドストライクすぎる。
静かだ。
静かな夜。部屋に戻り、リンゴを食べよう・・・。
朝。寝る直前までストーブを炊いており、朝方でもまだ氷点下にはならない時期であったため、それほど凍えることなく夜を明けられた。これが厳冬期であれば、外界と柔な硝子サッシと障子でしか遮断されていないこの部屋はかなり寒くなることであろう。でも、この部屋で過ごせてよかった。
だって、こんなお宿、いくら払ったって今から作れるような物ではない。年季が染み渡った建物は、何故こうにまで自分を刺激してくるのであろう。なんかの機会にまた訪れたい。そう思った。あのおばあさんの後継はいらっしゃるのかしら・・・。

北海道ではこのような木造建築はまず見ない。だから、本州出身の自分としては、こういった建物に惹かれるのだ。夏の北海道はよかったが、冬季はしばらく、本州に恋する季節となりそうだ。

動画も頑張って作ったので見てね!


~ここから再訪~

黒石のこみせ通りを散策した後、バスで温湯温泉に向かう。
雪でボコボコになった路面を、ものすごいバウンドしながらバスがやって来る。側から見てると凄いボヨンボヨンしてる。
そして、銀世界を走る。一人旅研究会では珍しい、バスへの乗車だ。
下温湯で降りる。
停留所に辿り着くと、目の前に、いきなり垂涎ものの建物。
既に営業していないようだが、自販機は稼働しているし、雪下ろしもされている様子がうかがえる。
そして温泉街。こちらは外湯の共同浴場。
そして、今も健在な土岐商店。カップ麺やお菓子などを調達。ここ以外にお店はないので、夕飯を食べるにしても、基本カップ麺位しか選択肢はない。
でも、それが旅情の塊なのだ。
やはり、色合いが良い。前回来た時のカメラよりも数段パワーアップしているので、めっちゃ良い感じに撮れる。感動。
レジではおばあちゃんが対応してくれた。恐らく80代半ばとかであろう。
もうね、堪らんのですよ。
温泉街てくてく。
飯塚旅館。
盛萬客舎。
そして、お待ちかねの後藤温泉客舎。
やっぱりこの2棟の組合せが堪らない。
前回と同じ部屋に泊まった。
久しぶりに。
日めくりカレンダー。
宿主の方が住まわれている棟に続く扉。
奥は物凄い雪だ。
裏手から。ひぇぇ。
物凄い雪の量だ…!
すっかり暗くなり、もう一度てくてく。やはりこの商店も強い。
コンパクトな温泉街ながら、雪国旅情を最大限に感じられる。
頭上注意ながらも、良いっすねぇ(*´꒳`*)
土岐商店自体も、かつては客舎を営業していたようだ。
さて、夕飯を食べますか!
そして、温泉に入る。
あぁ、良い1日だ。
21時に、土岐商店は閉まった。
素晴らしい眺め。
お休みなさい。
お部屋からは、外が見える。
ポスト。可愛い。、
すなわち、外から中も丸見えなのだ。
朝。途中までストーブをつけていたが、室温は6度だった。ダウンを着て寝ていた。
あぁ、雪国。
うーん、最高!
あぁ、旅情。
なんかいますね。
可愛い。
道民の人さんが書かれた御本が置かれていた。こちらのお宿が掲載されている。実は、道民の人さんのサイン入りのこの本を持っている。うふふ。
窓の外は冬。
物凄い量の雪が窓の外に見える。恐怖。
外湯。
宿外観。
屋根は高い。2階があるのでは?と思うほどだ。
朝。商店は既に開いていた。
3年前に札いいした写真と見比べると、売店の中にある商品ケースが少なくなっていることに気がついた…(´・ω・`)
雪の重みが、凄そうだ。
さて、出発しますか。
今回は、暖房費含めて4,500円。お世話になりました。
周辺住民の方が雪かきをしていた。固くなった雪をスコップでほぐして排雪溝に入れていた。
飯塚旅館。立派な佇まい。
またバスに乗って黒石駅に戻る。
そして、停留所前にある。白泰商店。この鄙び具合、堪らない。
もし現役であったならばここでも買い物してみたかった。
立派な戸袋。装飾も豊かだ。
雪国。
除雪。
温泉街の入口にあるアーチ。
温泉マークが可愛い。最近は、撤去される温泉街も多い。
バスが来る頻度は、決して多くはない。
楽しかった!!
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