平成29年9月17日、再訪:令和3年4月30日
日高本線上にある絵笛駅。ここは平成27年の豪雨で鉄橋が流され、鵡川駅より東はバスでの代行運転によって運営されている。元々の利用者数が多くなかったということもあり、復旧は断念し、バスでの運行を続けるそうだ。今回紹介する絵笛駅は、そんな日高本線上でも特に利用者数の少ない駅で、秘境駅認定されている。代行バスが走っているのだから、バスは元の駅の前に停まってくれるだろうと思ったら大間違いだ。バスは駅の集中している海岸沿いを走るのみで、海岸から離れた駅へは各自で歩いて行ってください、というスタンスだ。絵笛駅は海岸沿いから2km離れているため、絵笛駅へ行くためにはバス停から2km歩いていかなければならない。そもそも絵笛駅を利用する人など0に等しいので、それでも誰も困らないのである・・・。
こんな道を2キロ歩かなければならない。
もう列車の走ることのない鉄橋。
バーのない遮断機。
絵笛駅に到着。何も壊されたりしていない、レールもそのままにされている。
待合室。狭いが今も清掃なされているように感じる。
ホワイトボード。可愛いイラストもある。
電車が来なくなって2年。
今までいくつもの廃駅を見てきたが、この駅はどのような姿になるのか。
ホームから見下ろす待合室。見下ろして思ったが、大体どこの駅の待合室もホームと同じ高さにあるのだが、ここは階段を降りた先にある。
駅ノートへ記入、復旧の「復」の字を間違てしまった・・・。ここの駅ノート、ひどい落書きが目立った。ここまでひどいノートは滅多に見ない。上手に書かれたイラストにもひどい落書きがなされており、悲しくなった。自分の絵は下手なので何もされないと思うが・・・。
もう電車は来ない。
行った道を引き返す。のんびりしたところだ。
バス停。ここからさらに東に、様似まで行き、そこからJRバス、十勝バスと乗り継いで、帯広へ行く。今日は7時間半もバスに乗るのだ。
〜ここから再訪〜
まさか自分がここに、道民となって再び来ることになるとは思ってもいなかった。構造物等は変わってはいなかったものの、3年半前にはなかった立入禁止の看板が。
そして、待合室の中は空っぽになり、駅ノートは残念ながら無くなっていた。
ここもいつかは跡形もなく消え去ってしまうのだろうか。
今にでも列車が来そうなのに、駅名標すらも消えてしまっては、もう来ない現実を突きつけられる。
レールの上にはカラーコーン。敷かれたレールを走るだけの人生も、どうやら簡単ではないようだ。