令和3年3月6日
只見の東方にある金山町。町内にはこじんまりとした公衆浴場がいくつもあり、ここ湯倉温泉以外にも玉梨共同浴場、大塩温泉共同浴場、鉢湯温泉共同浴場亀の湯等がある。今回、全ての温泉を回りたかったのだが、コロナウイルスの関係で入浴が町民のみに限られていたり、土日なのに閉まっていたりで湯倉温泉のみへの訪問だ。実は次の4月から北海道への転勤が知らされていたので、只見方面への最後のドライブとしてきていたのだが、すべての温泉に入るという夢を叶えることができなかったのは心残りだ。
こちらは無人公衆浴場になっており、扉を開けると待合室がある。集金箱が奥に設置されている。
協力金は三百円。石鹸等の設置はないものの、シャワーがあるのは那須湯本や塩原の共同浴場とは違うところ。硫酸塩泉で、塩味はついているが、ごくごく飲めるほどの美味しさではない。温泉の色、析出物は床の色を見れば一目瞭然で、平成26年に改築されたという浴室の床は茶色に変色している。かつては析出した温泉成分が端に蓄積されていたという。注ぎ口からは47、8度と思われる熱いお湯が流れており、必要な時に継ぎ足す形がとられている。常時流していたら、入れないほどに熱くなってしまうためだ。そのため、適温の状態を保つには、ある程度循環性を殺さなければならないが、いい湯であることは確かだ。
析出物によってこれほどまでに変色していなけば、ただの単純泉であれば、ここまで「温泉らしさ」は出ないであろう。湯に含まれる成分が少ない単純泉であっても立派な温泉であるが、やはりこのようなだ「大地の色」を感じられる温泉は、テンションが上がるものなのだ。そしてそこにアクセントとして加わるケロリン桶もまた良いものだ。