令和3年8月8日
昨日行った浦幌炭鉱跡から林道で繋がっていると思われるが、釧路市内の外れに尺別炭鉱の跡地がある。とは言っても、ホッパー等の炭鉱施設の跡は見られず、給油所や住宅跡地、ガード下の名残が見られるのみで、この付近に人がたくさん住んでいたという痕跡は目をこらしても感じることはあまりできない。かつて住宅が並んでいた箇所は牧草地に綺麗に転用されているためだ。どういう理由かは知らないが、住宅は全てが壊されたわけではなく、2棟のみ、牧草地の中にあるというらしい。山道を登る。距離はそれほどない。500m位。熊と虻に注意。
牧草地につきあたったら、牧草地の端を伝って左に進む。すると、何やら遠くに・・・。
うぉぉ、物凄い雰囲気だ。
尺別炭鉱は、お隣浦幌炭鉱の閉山後に浦幌炭鉱の従業員が配置されていた。そのため、無人化地域となったのは浦幌炭鉱よりも後のことではあるが、それでも半世紀近く放置された建物は、おおよそ人を受け付けているようには見えない。
扉は固く閉ざされているが、窓という窓は、ガラスが全て取り払われているため、ゲジゲジとカタツムリでびっしりとなった窓の桟を支えに中に乗り込む。
中の様子。共用廊下。とはいえ、各階層2部屋の2階層分の、小さなアパートの階段の踊り場と造りは同一である。
部屋の様子。残留物はなく、どの部屋も左右対称以外の違いは見受けられない。
2階へ登る階段。
何とももいえない感情が込み上げてくる。
建物は2棟あり、1棟は浦幌炭鉱にあるような、外壁が煉瓦の古そうなものであるが、もう一つは比較的新目と思える、rc造りのアパートだ。
先程の棟とは、階段の造りも違う。手すりは金属製で、先程の棟よりも重厚感は多少劣る。
2階には廃蜂の巣が。視界に入った瞬間すこぶる驚いた。巣も廃墟状態で良かった・・・。
蔦の侵入を許した部屋。
緑に侵食される廃は、見る分には綺麗で最高だが、散策時期としてはかなり大変で、ここに来るまで藪漕ぎは必須、そして、無数に寄ってくる虫も滑稽で仕方がない。
それでも、こう言った写真を撮れるのが、夏の廃墟の魅力だ。
今回の装備。前日の雨で藪漕ぎでズボンが大変なことに。雨具を履いてくれば良かった・・・。