平成31年3月20日
男鬼(おおり)集落は霊山にある廃集落。滋賀県道17号線沿いには廃集落が点在しており、その密集具合は埼玉県秩父市の羨むダム近辺や、東京の奥多摩をも凌駕する。これだけ密集している場所は国内においてもほとんど無いであろう。この集落に続く県道17号線はまさしく「険道」であり、途中から車は通行止めとなっている。
それもそのはず。路肩は大幅に削られ、軽自動車も通れないほどに道が狭くなり、終いには道が寸断されてしまっている。廃集落まではこの17号線を辿っていくことは不可能なので、途中左に分岐した道を進んでいく必要がある。
集落のは家屋が何軒も綺麗な状態で残されており、過去の小学校跡には、その時在籍していた学生のイニシャルと共にだろうか、石碑が残されていた。昭和53年の文字が。
集落全景。ここには既に誰も住んでいない。そうとは思えないほどのどかな場所だ。
ある御宅には古い自動車のおもちゃが。ほとんどの家は伽藍堂になっていた。
ある家の中。
吹きさらしとなった小便器。もちろん汲み取りに来る車など、来るはずがない。
のどかな場所だ。この日は付近の11の廃集落を訪れたのだが、歩行距離は17kmを超えていた。1日にこれだけ多くの廃集落を訪れることは後にも先にもないだろう。
~ここから再訪~
令和5年9月17日
ザ・日本の廃集落、と聞いてイメージする廃集落の雰囲気が、まさにここ、という感じだ。木々に埋もれた薄暗い廃集落よりかは、ある程度人の気配がまだ感じられる、空が少し見える程度の山に囲まれた集落、というのが自分の廃集落の想像図だ。
めちゃくちゃ日本を感じない?
量り。
前回と同じく、野天小便器。
いつまでも残っていてほしい。
吸い込まれる。
小川の向こうにあるのだが、渡るための橋がなくいきたいのに行けない家。
日差しが優しい。
奥には神社が。
凄い雰囲気だ。今でも手入れがされているようだ。
このような雰囲気の廃集落は、だんだんと増えつつも、手入れがされなければあっという間に朽ち果てていく。少しでも維持をしてくれる人がいるかいないか、ここに廃集落の本当の意味での「廃れ」が分かれる。