令和2年9月5日
栃木県北部にある那須高原の、那須岳へとのぼる道の途中に、観光客相手の商業施設が建ち並ぶ大きな駐車場がある。その一角は既に廃墟街と化しており、浴場やお土産屋の廃墟がある。その他にも今回探索をしたプールと浴場が一体となった施設が廃墟となっている。
入口の看板はご覧のように、いまだに現役そのものの格好しているが、肝心の建物の外観はこのように荒廃しており、なおかつ入口がフリーな状態になっている。しかし、ケーキの観光施設の近くにあるため、観光客の目を盗んで中に侵入する必要がある。
建物は2棟に分かれており、奥がプールや浴場のあった棟だ。受付を過ぎると更衣室と洗面室があり、1階がプール、階段を登って2階が浴場となっている。プールはもちろん水着で入るため男女兼用の空間となっているが、浴場は水着不可であるため、男女別々となっている。
こちらがプールの全体像だ。かなり彩度が高めでガラス張りであるため、気持ちのいい景色だ。天井もいい景色であるが、さすがに現役時代は天井から空を拝めることができなかったと言う。平成20年頃まで営業されていたというが、天井が崩れ落ちてしまっては、この廃墟の寿命は短くなってしまっていることだろう。
なんだか写真集に載っていそうな画像である。ここまできれい色した空間で撮影できるとはテンションが上がる。
プールやサウナも併設されていた。廃サウナを見るなんて初めてのことだ。ここにあるサウナ室は、ただの30度のかび臭い空間が広がるだけであった。
最後にプールに入ったのはいつのことであったであろうか。
2階の浴場にたどり着いた。男女それぞれ左右対称の形状となっており、洗い場が5カ所程度と中くらいの大きさの浴槽が一個あった。
洗い場。鏡に撮影者は映らない。そしてボトルの中身を知ろうとはしない。
湯船からは一階のプールが見下ろせるようになっている。家族で来て、プールに父と息子、湯船に母と娘が入り、階をまたいで呼び合ったりしている景色が容易に想像できた。今後この空間でそれをする者はもういない。