【昭和レトロジオラマ】第一弾制作過程

●制作費用:61880円
内訳
材料(木・線路含む):10440円、建物:27140円、人:2000円、車:6500円、電飾:15800円
●制作期間:
7ヶ月(平成30年6月中旬〜平成31年1月中旬)
●6月

昔から情景模型を見るのが大好きで、いつか作りたいと思っていた。就職活動が終わって卒業までに時間がある今、夢に見ていたジオラマをいざ作ろうと、手当たり次第建物を購入した。今回のジオラマで使う大半はトミーテックの建物コレクション。それ以外にも何軒かKATO製の建物の模型を購入。スケールは150分の1でNゲージ準拠。

とりあえず、「ここにこんなものがあればいいな〜」なんてものを配置していく。駅前広場を中心に商店を並べ、周りに住宅を置いてみたり、色々試していると「ここは商店街にしよう」や「ここは路地裏にして雰囲気が出せそうだ」など段々街のイメージが出来上がってきた。もちろん最初に建物を買う際に、なんとなく「昭和レトロな街を作りたい」という思いがあったため、それに沿って購入する建物を選択した。販売から月日が経って販売中止になっているものも出てきているため、買いたいもの全部が全部揃えられたわけではないが。

大体の配置が決まってこんな感じ。完成の時と比べると、まだまだ建物の数が少ないし、配置場所が違っている点も見受けられる。どこに何があったらいいかな〜なんて妄想しているとあっという間に時間が流れてしまっていた。6月は建物を購入し、配置をおおよそ決めるだけで終わった。
●7月

このジオラマは、駅周辺の街エリアと、のどかな自然エリアに分けることにしていて、右半分が自然エリアである。とは言ってもこの時点でどのように土地を使っていくかはあまり考えていなかったが、どこかに川とトンネルは通したいなと思っていた。

とりあえず白色のジェッソで表面を塗ったスタイロフォームの上に建物を置いただけでは、なんとも異空間な感じであるため、舗装の下地をすることにした。100円ショップで売られている白と茶色の軽い紙粘土を混ぜ合わせてボンドを使ってスタイロフォームに貼り付けていく。厚さは4mm程度。後々この上に砂を撒くので完全に平たくはしなかった。実際の未舗装路もそうであるように。

歩道だけ固定し、それ以外の建物の位置をマークした後このように貼り付け。紙粘土が乾く前に建物を上から押さえつけ、地面との隙間ができないようにしておいた。

だいぶ街っぽくなってきたのではないだろうか。平成の街ジオラマであれば、道路キットも売っているため、道路と建物を設置すればそれだけでほぼ完成なのだが、昭和レトロということもあり完成品をただ設置するだけでは足りない「味」が求められるので、一つ一つの作業に時間をかけながら行う。

駅前。

駅前大通り。ピンボケ感がジオラマの雰囲気を高めてくれる。7月は街エリアをそれっぽくさせた月だった。
●8月

7月もかなりゆっくり進めていったので、進捗は少なかったのだが、8月はさらに進捗がない。5日から1ヶ月間、車で日本一周をしていたためだ。こちらも中学の頃からの夢だったので、大学卒業までの半年強で色々な夢を実現できる有意義な期間なのである。宣伝になって恐縮だが、日本一周をまとめた本を電子書籍にて販売中なので、興味のある方には是非ご覧いただきたい。さて、この指の上にのっかている板は、小さな祠に上がるための石段だ。厚さ2mmなので、現実世界だと一段30cmの登りにくい階段だがそこは目を瞑ろう。これを30個用意し、ボンドで常げ、配色をして神社につながる坂に貼り付ける。が、それは8月中にはできないためこの作業は保留。

この月は、日本一周から帰ってきてからの作業を円滑に進めるために、ジオラマの大枠を途中まで進めておこうという作戦に出た。一旦街エリアから外れて自然エリアの起伏を制作する。

それに加えて、この駅で複線から単線に変わるという設定のため(ジオラマの大きさ上そうする他なかった)、分岐するレールを購入。列車を走らす計画はもともとなかったため、全てを茶色に塗装して、地方にあるくたびれたレールを再現する。

そしてこの写真を最後に一気に9月まで飛ぶことになる。
●9月

9月は線路周りを製作した。3枚上の写真の時点では真っ白であった場所が、

一気にここまできた。所々、リアルな情景を見られるジオラマに進化しつつある手応えを感じる。

作業中のジオラマの上。解体工事のようにいろんなものが山積みにされている。
●10月

10月は大躍進の月といえよう。月初めと月終わりで様相がガラリと変わり、数段完成に近づいてきた。まずは小さな祠を立てる丘の製作。

切り出したスタイロフォームに着色した紙粘土を下地として貼り付けた後、木のチップを側面につけて崖を表現。祠もこの時点で設置してしまう。

8月のはじめに作っておいた石段を設置した後、全体に雑草をまぶす。

祠をアップ。

木を植えて完成。

次は道路を整備する。未舗装路なので自然な色の砂を水で溶いた大量のボンド水で貼り付ける。そのために家を一度全て取っ払う。

そして砂を敷いた。

駅の前には、線路を人がまたぐための板を追加した。地方の駅に行くとまだ見かけることがあるだろう。

次は山を作る。このように簡単に着色した後、

ここでも木のチップを使って道の両脇に貼り付けることで崖を表現。

下側には線路が通っているのでトンネルの場所を確保。

川用のくぼみを削り出す。

丁寧にヤスリをかけ、山には土を撒き、雑草を生やした。10月末での自然エリアの全景だ。

今月はまだまだ進む。田んぼ用のくぼみを作る。田んぼキットにいいものがなく、稲も自作をしなくてはならない。不器用な自分にとっては至難の作業になりそうだ。水の光沢感を出すために、アクリル板の上に緑の草を植えていく。

稲の製作。

こうやって地道に貼り付けていった。
●11月

川底に砂を敷き、田んぼの下地を完成させた。11月1週目時点での自然エリア。

田んぼは完成させたものの、かなり不揃いで稲の高さが換算150cmになってしまい、スケール感共にボロボロな状態に・・・。しかし自分の技量ではこれ以上のものは作り直したとしても期待できないため、泣く泣くこれで完成とする。

田んぼの横の土地をどうするのか全く決めていなかったので、畑を作ることに。キメが細かめなダンボールを持ちいる。余っている土地の形に合わせたのでこんな歪な形に。

畝の所にだけボンドを直付けして緑の粉を撒く。なんだか茶畑のようになってしまったが、それはそれでよしとしよう。

次は石橋をかけましょう。この時点までに、グロスポリマーメディウムを水として、ヘビージェルメディウムを水面表現として用いた。グロスポリマーメディウムは1mmに薄く延ばしても、透明になって乾くまでは1日以上かかるのでだいぶ時間を食ってしまった。水表現用のチューブ入りのものが1000円強で売られているので、そちらを用いたほうが圧倒的に早くストレスフリーに川を作ることができるだろう。

この瞬間まで、山の部分は下のスタイロフォームと接着しておらず、境目が目立っていたので、このタイミングで接着すると同時に、継ぎ目を自然な感じなるように仕上げた。

例えばトンネル付近は

このように境目をつなげ、

道もこのように。

そしてこう。継ぎ目が完全に消えた。

11月下旬になると、大まかな地形を作っていく段階から、より街らしく仕上げていく段階に突入した。今回は6500円を投資して街に自動車を出現させた。こちらもトミーテック製の150分の1スケールの模型を用いた。ボンネットバスの在庫は底をついてきているようで、当時の販売価格よりも何倍も値上がりし、一台2000円近くにまで高騰していた。しかし雰囲気を出すためには仕方ない出費だ。

商店街に停車する三輪オート。

坂道を上がる自動車。

駅前大通りを通る車達。

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