【山口】超絶鄙び温泉街、俵山温泉街を散策!

令和5年10月13日

俵山(たわらやま)温泉。近くにある大き目な温泉街、長門湯本温泉とは異なり、小規模の宿がひしめく湯治場である。この温泉街の雰囲気は大変素晴らしいもので、古き良き温泉街の雰囲気がそのまま残されている。泉質もよく、平成温泉番付の西の横綱にもなるほどである。
昭和時代は、国内の温泉街の雰囲気ががらりと変わり、それに乗っかった温泉街は今や無惨な姿になっている場所が多い。昭和といえば、会社での慰労会で大勢の客が大宴会をするようなスタイルが人気を博した。各温泉街・温泉宿は昔ながらのスタイルを維持するか、それとも大人数を呼び込める大きな宿にするかの選択を強いられた。俵山温泉は前者を選び、その雰囲気が多くの鄙び好きな人たちに愛されている。
後者を選んだ温泉街は、よほど大きな温泉街でなければ失敗の選択で、単純に宿を大きくするだけでしか考えず、他の宿や温泉街との差別化を図らなければ、量産型のただ綺麗なだけのつまらない温泉宿が乱立した。昭和はそれで良かったかもしれない。大人数の客が来ていてたから。でも、趣味が多様化し、文化が成熟し、会社が一緒だからという薄っぺらい関係だけで仲良いふりをして温泉宿に大挙する文化は次第に薄まっていった。ともなると、その流れがなくなれば、ただ箱を大きくしただけの味のない温泉宿はみるみる客を失い、廃業に追いこまれていく。宿一軒どころか、温泉街ごと消え去った例でさえ、全国には沢山ある。目の前の流行に流されて失敗した経営をしなかった温泉街が、今でも元気に営業している。
考えてみれば当たり前だ。本来、温泉街は、温泉を求めて訪れる場所だ。会社単位で来るような、酒と歓楽を求めに来るような連中(もちろん全ての会社単位の団体がそうではないとは知っている)を客にしてたら、本来の客が離れて行く。そしてどうだ、そのような連中がいなくなった。そしたら、温泉(街)本来の味を残している温泉街が残る。
それで、今は中途半端な消えかかりそうな温泉街と、昔からの雰囲気を残す温泉街と、家族旅行で行くような大きな綺麗な温泉街の3つに大別されるようになった。
俵山温泉に目を向ければ、このような路地や、先ほどまでに挙げてきた木造旅館等が並んでおり、ひなび愛好者には堪らない空間になっている。ここまでうんちくを垂れたが、実際にはこれらの町並みに涎がだらだらになっている。
本日泊まるのは泉屋。
純和風の正々堂々とした佇まい。落ち着く。
広縁。
夜の温泉街に出かけよう。
俵山温泉にある旅館は、一部旅館を除いて基本内湯を持たず、外湯に入りに行くスタイル。
なので、温泉街の雰囲気を味わいつつ温泉に入りに行ける。
めっちゃ好き。
基本的に吸い込まれる路地しかない。
木造三階建旅館。
大好き。
完全に陽が落ちると、また違った色になる。
堪らん。
ちょっとした不気味さが心地よい。
営業していなさそうに見える。が、良い雰囲気だ。
夜はとても静かだ。
土産屋。
散歩を終えよう。
夕飯。
朝になった。
非常に良い朝だ。
部屋からの眺め。
良い。
朝、またてくてく。大好きすぎる。鳥肌立つほどに好きな町並み。
お世話になりました。
鄙び温泉街はいくつも行っているが、中でも俵山温泉の雰囲気は好きだ。土曜日の早朝で人はまばらだが、写真撮影が捗るので素晴らしい。
かっこいい。
終始よだれだらだらになれる温泉街。是非とも行ってほしい。
本箇所は、令和6年8月27日にマール社から発売された人生初写真集「一人旅研究会 ノスタルジック写真集」に掲載しております!

因みにこの写真をXに投稿したら、大反響を得た。
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