平成29年12月24日



12月24日。世間ではクリスマスだとか、聖夜だとか言われているが、そんなものは関係の無い男子大学生。こんな建物には縁はない。

そしたら何故こんな建物を撮ったのか。それは、このホテル街に用があるからだ!先ほどのホテルの脇から道が生えているが、車はここから先は細くて進めない、この道を進んだ先のホテルに今回は用がある。

これが目的のホテル。「なんだよ!結局ホテル行くんじゃねえかyo!リア充じゃねえか!爆ぜろ!」とか言われそうだが、安心してほしい。


こんな道を、今夜、沢山の男女二人組が通ると思われるだろうか?


そう、ここはホテルだった、ただの廃墟なのだ!

一階には作為的に切られた大きな穴が空いている。

中央には・・・。

正面横は30mほどで、奥行きは15mくらい。二階建てで、各部屋に窓が取り付けられているので真っ暗なところはなく、入るために特別何かを乗り越えなければならないわけでは無いので散策は案外楽だ。ただ、ガラスが散乱しているので下駄やサンダルでは間違って来ないように。

昭和50年代後半にラブホテルとして経営が始まり、平成7年ごろに生簀料理を提供するお店に経営の舵を切ったが、経営振るわず平成10年に無人の建物になったという歴史を持つ。訪問の時点で19年の月日が経過しようとしている。過去のいろんなブログを見てみると、建物の周りの茂みは徐々に大きくなり、周りから隔絶された空間になりつつある。隔絶されたとたん、光は届かなくなり、建物は一気に荒廃し崩壊する。ガスなんかも充満し、気安く立ち入れる場所ではなくなってしまう。


一階に唯一確認された水回り。他にボイラー室や事務所跡が見受けられた。客室は2階に固め、一階は共有スペースや運営スペースとして使われていたのだろう。

この建物に石綿は使用されているのだろうか。建物自体に極端な古さは見受けられないし、竣工年数は昭和50年代後半で合っていると思われる。この時期にはすでに石綿を規制する法規制がなされていたので、人体に影響を及ぼすほどの石綿は使われていない。・・・と信じたい。私の他界した祖父は石綿の被害を少なからず受けていた人なので、石綿に対して怖さを感じる。


残留物。建物全体で多少の遺留物が見受けられた。



大人の玩具を売っていたであろう自動販売機の残骸。なかなか良い色をしている。さすがに中に商品はなかった。


昭和52年製の会計事務所用専用コンピュータ。こんなたいそうなものは滅多に買い換えないだろうから、建物の使用開始とともに購入したのだろう。40年前はこんなに大きなもので金銭関係の管理をしていたのだ。驚きである。


建物の裏手には大小様々な便器が横たわっていた。二階の窓から投げたのだろうか、真っ二つになっている便器が大半だった。・・・と思ったが、よく考えたら便器が新しすぎるし、客室の便器はほとんど残っていたので不法投棄されたものだろう。

裏手。

階段。ラブホテルという特性上、車から降りてそのまま部屋に行けるように、各部屋に階段が一つずつ付いているため、部屋数である10くらいの階段が並んでいる。階段の先は建物の外側とは面していない廊下になっているので薄暗い。コンクリート製の建物であるため倒壊や床抜けの心配は今の所ない。

廊下。壁は無機質なブロック塀。



空間①。おそらくここは共有スペースだろう。

その理由として、配電盤や、


人以外の何かを昇降させる機械があったためだ。昇降機は中途半端な大きさだ。生簀料理店時代には、料理を昇降させるために使っていたのだろうか。これが後付けでなければ、ホテル経営時にはどんな使われていたのだろうか。ちょっとよく分からない。おしえてエラいひと。
エアシューターによる部屋の中に物資やお金の授受はよくあるが、こんなに大きなもので一体何を運んでいたのだろう?シーツとかだろうか?

窓から顔を出すと、「ありがとうございました」と書かれたアーチが。

隣の部屋に向かう。



客室①。落書きがされてはいるものの、中は意外に綺麗だ。どの部屋にも共通だが、便器と浴槽はそのままだが、カランや洗面器は全て取り外されている。床は木製で、わずかにきしむが、大ジャンプをしない限りは安全そう。

ベランダもある。写すところが違うだろ、というツッコミは想定内だ。



部屋②。残留物の多い部屋だ。ハチトラ、大量の煙草の吸殻、大人の玩具自販機までも。


ベッドもふかふか部分はないが、形は保っている。

便器。中にはどす黒い謎の液体・・・。



浴室。この部屋でいったい、どれだけの数のドラマがあったのだろうか・・・。

ファンが二つ付いた大きな機械。中身は根こそぎ持ってかれ、用途不明。




部屋③



部屋④。この部屋が一番綺麗。

そしてもう一個奥の部屋へ。 部屋⑤。



部屋⑥。先ほどの綺麗な部屋とは裏腹に、明らかに誰かが燃やした跡がある。床はかなり不安定で、窓際の床は既に崩れ落ちていた。

廊下。

客室の浴槽の形は2タイプあるようだ。



部屋⑦。ここもなかなか荒廃している。


部屋⑧。過激な言葉が沢山書かれている。

窓からの景色。


朽ちゆく建物にただくっついているだけ。

何やら難しい。



もう二度と、正規目的での人は来ない。来るのは廃墟に興味のある珍獣だけだ。

スピーカー。



再び一階へ。

登れない階段。

便座。


なんだか御洒落。


ボイラー室。各部屋に暖かいお湯を送り込んでいたのだろう。

椅子。なぜか外に置いてある。

変色したドクターペッパーの缶。

今回の写真は、先日購入した、EOS M6で撮影をした。ちょっとは良い色が出せていただろうか。今までの極貧生活で浮いたお金で買ったカメラなので大事にしたい。ただ、今回購入したカメラでさえも、限界を感じる場面もあるだろう(特に夜景)。0が一つ足りないくらいかもしれない。でも、それでも、頑張って良い写真をお届けできるように腕を磨いていきたい。
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