【兵庫】山奥に残る神子畑選鉱場と明延鉱山跡を散策!

令和4年11月20日、再訪:令和7年6月22日

兵庫県のほぼ中央に、かつての鉱山跡が残されている。まずは神子畑(みこばた)選鉱場跡から。
昭和62に閉業し平成16年に建屋が壊されるまでは壮観とも言える光景がここに広がっていた。線路はあり得ないほどの急勾配をケーブルを使って上り下りをしていた。現在はレールと基礎のみが残る。
この光景だけでも十分に異界感はあるが、できれば稼働当時をより偲ぶことが出来る状態を見たかった。しょうがないね、物は永遠ではないから。
付近には巨大な沈殿槽。
圧倒される。
上からも見てみたいが、展望できる場所はなく、ドローンの飛行は禁止されている。
なんだか分からないけど何かのマシーン。
付近には学校の跡が。
体育館だったらしい。今は資材置き場になっている。
校庭の脇には廃ジャングルジムが。廃校に残されたジャングルジムも、紅葉の時期は輝いて見える。
往時は辺り一面に町が形成されていたが、現在は数軒の家屋が残るのみだ。
こちらは一円電車。神小畑選鉱場から明延鉱山の集落まで昭和60年まで運賃を変えず1円で乗車出来た。昭和60年と言えばバブル経済が始まる直前だ。物価は現在とそれほど変わらない。その時代に1円で移動出来たのだ。
とは言っても、炭鉱と同じルートで窮屈な車内に25分揺らされるのだから快適性は高いとは言えなかっただろう。しかも、走行区間のほとんどが隧道だったそうだ。今となっては、この二つの場所を往来するには、車でぐるっと山道を迂回するほかならず、当時の軌道を拡幅して車が通れれば良いなーって思った。昔は軌道と並走する形で、道路もあったそうだ。凄い。
明延の集落。
散歩してたら、たまたま粋な売物件を見つけた。
煙草屋である。つい数ヶ月前に、ツイッターでこの物件を見た記憶がある。あぁ、ここにあったんだ、と嬉しくなった。
この佇まい、明らかに令和では良い意味で目立つ物件だ。気になる方は是非。
窓には、平成四年当時の煙草の値段が。どうらや店を畳んで30年経過しているようだ。そして、煙草、当時から倍額になってるね。

因みにこの写真をXに投稿したら、大反響を得た。

~ここから再訪~

前回訪問時に訪れた旧小林たばこ店が、クラウドファンディングを経て「小林たばこ総合会館」としてオープするとのことで再訪した。
ひとまず、付近の町を散策することにする。昔鉱山の街として栄えていたが、昭和末期の閉山によって人口は、最盛期の100分の1程度にまで減ってしまっている。
ともなると、壊されてしまった炭鉱住宅も多く存在する。一部はこのように残っていたりもする。
最盛期には4000人以上もの人が住んでいた。
現在では、46人しか住んでいないという。
中が少し見えた。
あいにくの曇り空だったので、湿度高めな明延が沢山撮れる。
中心部付近。
昔の焦点跡。
「百貨店」と書かれている。
かつてはこの通り沿いにお店がひしめきあっていたという。パチンコ屋は複数あったのだそう。
そして、今回の目的地、旧小林たばこ店。
この装飾が、遠目からでもピンとくる。
可愛い。
擦りガラスにも「たばこ」の文字。
こちらは、何故か「ば」の文字が無くなっていた。経緯は不明とのこと。
小林たばこ総合会館として第二の生活を歩むことになった。その本オープンがこの日であった。
病院や商店が無いこの町での、インフラ的立場を担い、地域住民同士の、あるいは地域外からの訪問者との交流の場としても活用がされていく。特別な機能として、遠隔でお医者さんに相談ができるテレビ電話や、
商店的役を担う明延購買部、
訪問客に向けては、空想土産屋の機能を有している。
オープンイベントではクロストークに出演させていただいた。
ご厚意で、自分の本をイベント内で販売させていただいた。
オープン!200名以上の方が来る大盛況ぶりであった。屋台も出ていた。
限界集落ならぬ限界集「楽」をテーマに、新たなスタートが切られた。
人口減少はほとんどの自治体で喫緊の課題になっており、いかに対応していくかに頭を悩ませている。その一つの解決策、緩和策として、小林たばこ総合会館が全国に成功例として広まり、ひいては全国の同様の地区への希望になって欲しい。
持ち送り。
かっこいい。
自分がこのような地域にできることは限られていて、あくまでも、その地域をてくてくしてみて、「ここではこんな綺麗な空間があるよ!」と共有すること。そして、いろんな人にその地域を知ってもらって、足を運んでもらって、少しでも都市からお金がいきわたるようにすること。
本当は、晴れている時の「明延!明るい!」みたいな写真が撮りたかったのだが、ご覧の天気なので、しっとり感を大事にしながら撮影、散策してみた。
かつて4000人以上も住んだ街には、いくつもの細い路地が通っている。
吸い込まれる…。
中心部付近。右手には…
大きな鳥居があった。暗がりの中に浮かぶ鳥居。大好物だ。
緑が生えた石段の先は、残念ながら封鎖されていた。
奥にはどんな世界が広がっていたのだろう…。

おぉぉ…。
吸い込まれる。大好き。
恐らく、鄙び好きな街歩き界隈の人達にはとっても楽しい町だと思う。
川沿いに家屋が建ち並ぶが、46人の人口からすると、建物の数が圧倒的に多い。
つまり、空き家が多いということだ。
例えばこの建物…。
明らかに人が住んでいる様子は見受けられない。
賤がに朽ちていっているようだ…。
晴れていたらめっちゃ良さそう。
豊岡方面へ北進中、良い感じの停留所があった。
夏を感じながら、ばすをまってみた
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