平成30年8月16日、再訪;令和4年5月3日
秋田県の山奥にある奥奥八九郎温泉。野湯ファンの中では人気度の高い温泉となっている。が、そこまでに行き着くにはご覧の通り、深い溝ができている未舗装の道を4km進まなければならない。車で行けないこともないが、最悪傷がつくことも辞さない勢いで臨んだ方がいいだろう。自分は途中で断念し、転回も出来ない場所であったため、700mバックすることになった。
時間は17時30分。辺りは段々と暗くなり、動物の鳴く声もする。急いで行かななければ。ヘッドライトと懐中電灯は持参しているが、こんな山奥で真っ暗の中一人では心細い。泣きそうになりながら長距離バックをした後、車を窪みに置いてまた歩き出したのでここで既に時間をロスしてしまっている。時間に余裕はない。
足場が濡れているため、靴では大変になるからと百均で買ったサンダルを履いて行ったのだが、ゴツゴツした石がサンダルの底を突き破る勢いで足を刺激する。痛くてしようがない。しかも途中の沼地に足を取られて盛大に泥を浴びるしで大変だった。もう散々。一人でなければそれほど怖さがないのだろうが、一人で暗い中、しかも動物の鳴き声が聞こえるのだから怖くてたまったものじゃない。
足の裏を痛めながら、段々と暗くなる空に怯えながらも温泉まで到着することが出来た。ホッとした。ちなみに付近に奥八九郎温泉もあるのだが、藪の中に隠れてしまい、雨上がりだったために辺りが沼と化していて近寄ることが出来ず、探索は断念した。調べてみると見つけたとしても、とても入れるような環境ではないらしい。今回たどり着いた温泉は、温泉の成分によって地面が薄橙色に変色している。ここ以外は森の中に一本道があるような形なのだが、温泉の周りだけぽっかりと異空間が広がっているようで、近づけば容易に見つけることができる。しかし、たどり着くまでは心細いだろう。携帯は圏外であるが、GPSは生きているらしく、自分のいる位置を確認しながら進んでやっとの思いでたどり着くことが出来た、携帯電話がなかった時代なら、自分はここまで来ることはできていなかったであろう。秘境でも携帯電話が使えることはありがたいが、携帯電話を使うなんて卑怯だ!とも言うと入るだろう。でも、携帯電話は使わないなんて縛りプレイをしていたら、一生のうち今回しか行けないかもしれない場所に遭遇できずに終わってしまうかもしれず、それではもったいないため、文明の利器は惜しまず使うことにしている。変な道に入って熊に食べられたらたまったものじゃないもの。
鉄分が多く含まれて、それが錆びて赤いのか分からないが、とにかく味は血の味で、一口飲めばそれでギブアップ、そんな泉質だ。お湯は42度くらいでそれほど深くはない。
ブクブク湧いている。100パーセント非加熱・非冷却の天然温泉だ。
帰り道、暗い林道。人里が見えた時はやっと安全な場所だ!心からホッとした。
〜ここから再訪〜
ゴールデンウィークということもあり、何組かの温泉好きがやってきていた。
頑張って動画も作りました!見てね!