平成30年8月29日、再訪:令和6年2月24日
四国の北西部に位置する、日本一海に近い駅とされている駅。ここは青春18きっぷのポスターにも何度か使われるほどの絶景が広がる駅で、観光客の姿が絶えない。
晴れていて、海と空の織りなす青色は文句の付け所がない。ただ一つ文句を言うとすれば、日本一海に近いのは嘘だ。鶴見線の海芝浦駅や五能線の驫木駅の方がよっぽど海に近い。下灘駅は一見海が真後ろにあるように見えるが、実は一段低くなったところに道が一本走っており、海までの直線距離は意外にある。
こちらは18きっぷのポスターになった構図。「思わず降りてしまう、という経験をしたことがありますか」
駅ノートはものすごい冊数になっていた。平成10年頃に18きっぷのポスターに起用されてから多くの人が来るようになったという。
青さが、すぐ手に届くところまで来ていた。
~ここから再訪~
5年ぶりの四国の訪問で、予讃線の撮影をするため、下灘駅の近くに来ていたので久しぶりに訪問することにした。日中の訪問であればわざわざ来なくても、という感じであったが、早朝明けきらぬ時間帯であったので、また違った雰囲気の下灘駅を望めそうだ。
街灯がボヤっと周りに滲み出すくらいの心地よい暗さ。一日の始まりに向かって胸が少しずつ高揚してくる時間帯だ。
駅舎。
そしてホーム。優しい色合いだ。今回の四国旅行は全体的に天気に恵まれなかったが、この時間帯はちょうどいい雲量で、日の出前の静かな青さがとても綺麗に見えた。
いいっすねぇ。
よく見る色鮮やかな下灘駅とは違った雰囲気に、また魅了される。
駅名標。
始発列車がやってきた。
車内の人の姿はまだまばらであった。
人を乗せ、松山方面へと小さくなっていった。ガラガラガラと鳴るディーゼルの音は、次第に夜明けの空に滲んでいった。