令和元年7月6日
日光と塩原を結ぶ日塩有料道路沿いには2件の廃スキー場がある。それがここと鶏頂山スキー場だ。次の給料日まであと10日もあるというのに既に赤字になりかけているが、有料道路代の600円を惜しまずやって来た。門までは車ですぐに行けるので、そこから歩いて向かう。
途中になぜか消火器とマスコットキャラクター?のぬいぐるみが。
これが今回探索する建物だ。
それでは行ってみよう。
とは言っても、一階は外から見える範囲で十分で、2階の方が見どころがたくさんあるだろうと直感で思った。しかし階段が見当たらない。どうやら正面に大きな階段が取り付けられていたらしいが、平成12年の廃業から既に18年、階段から登ることはできなくなっている。そのため、建物の裏から入ることにする。裏手に回ると、かつての滑走場が姿を表す。
既に草木が茂り、滑れそうもない。
途中にあるパトロール小屋。
屋外に立てかけられたスキー板。
因みに一階は・・・事務所であったり、宿泊用の部屋があったと思われる。
サビサビに錆びた引き出し。
2階はと言うと・・・。一部が腐って床が落ちてしまっている。あれ、ここ入って落ちてしまわないかな?と多少恐怖を覚えながらも突っ込む。因みに、ガラスが散乱しているのにサンダル、7分丈ズボンという、もはや廃墟を完全に舐めきった格好での挑戦だ。
おお。床は一面藻に侵食されて美しい緑色の天然絨毯ではないか。
お、さっきいたマスコットキャラクター?の色違い版。まだ綺麗そう。
レジとスキーウェア。スキーウェアは年代を感じるデザイン。
順番は前後するけど一階の宿泊部屋。
近づいてみる。
お手洗い。
戻って二階。この階は全体的に色鮮やかだ。
なんだかすごくオシャレな空間。もったいないぞ。
多くの人がスキー板を手に持ち、胸を躍らせたことだろう。
それも今は昔。今では暗い空間と陽にあたって藻に侵食された空間が入り混じる無人の空間でしかない。・・・写真の色合いを変えると、感じる怖さが違ってくる。青い方が怖く感じる。自分はビビリなので、たとえ現実の色が上に近かったとしても、怖すぎて嫌だ(じゃあこんなところに来るな、と言う話なのだが・・・)。
食堂。一運動終えて、ここで食べるハンバーガーはさぞ美味かったことだろう。
カナダグッズが売られていた形跡はこの看板以外どこにもない。
そしてこの廃墟で一番好きな空間。誰かがわざと置いたのだろう。暗闇の中一部陽の光にさらされて繁茂した天然の絨毯の上にパイプ椅子が置かれていた。
もう、誰も来ない。きっと近い将来床が抜け、あの鮮やかな空間に足を踏み入れることは二度とできなくなる。