【千葉】廃ランクルが残る三島隧道跡を散策!

令和4年12月28日

千葉県の国道410号線の旧道に、それはそれは唆られる景色が広がっている。4年ほど前に存在は知ったものの、それが何処か知るまでに1年以上を用した。どのような景色が広がっているかというと、廃隧道前に、藻にまみれたトヨタ ランドクルーザーの廃車が鎮座しているというのだ。草ヒロ&廃隧道好きにはたまらない組み合わせである。
国道410号線に、君鴨トンネルという現役隧道があり、その北坑口から北方に200mほど行ったところに、東に伸びる細い道がある。そちらを200mほど進むと丁字路に当たる。恐らくは右側の道に、金網で車通行止の看板が立っている。この、金網の向こうに廃ランクルがある。金網の左脇からすっと足を伸ばすと、しばらくは綺麗な舗装路が続き、現道と並行しながら登っていく。現道が君鴨トンネルに吸い込まれたあたりから、本格的な廃道区間が広がる。腐葉土と枯れ葉に覆われたのか、元々未舗装だったのか分からなくなる程にとにかく荒れており、路肩の崩落も見受けられる。
所々、ガードレールや標識が残されている。
先へ進んでいくと…
土砂崩れがあったのか、土が盛られた所に車が突き刺さっている。
ダイナミックすぎる駐車方法だ。君鴨トンネルの開通は平成5年であり、その後しばらくして(21世紀になる頃まで)旧道が廃止されたようだが、この車は廃道後に捨てられたものだろう。現役時に車が捨てられている事はそもそもあり得ないのだが。
冬に行ったので、それほど苦労せずに進めたが、夏は藪漕ぎが大変であろう。ゲートから10分ほど歩いていくと、遂に…
!!!
何年も見たいと思っていた空間が、徐々に目の前に差し迫ってくる。
三島隧道跡と、廃ランクルだ。冬とはいえ、さすがは千葉。緑が残っており、冬の写真には思えないほどだ。
前扉は両方とも開けられていた。閉めると、重厚感ある音と共にしっかり閉まっててくれるし、歪みもないようでスムーズに開閉できた。
扉は閉めてあげた。こっちの方が様に見える。
こちらの車、調べると平成10年から19年まで製造されたようだ。簡単に遡ってみても、遅くとも、生産終了となる平成19年にはこの場所に捨てられていた事から、現役車として走っていたのは短い期間となる。自分は平成14年製の車に未だに乗っているが、同世代の車がこんな姿になっているのは見ていて偲びない。
中も緑だらけで、凄まじい状態だ。
隧道をのぞいてみる。一時期は塞がれていたものの、現在は反対側の口から漏れる光も確認できた。
自分の車がこうなるのはまっぴらごめんだけど、不思議なものよね、被写体としては満点なのよね。
1人残され、ここで一体、何を思っているのだろうか。
不気味さを感じながらも、憧れの場所に来られてとても幸せだ。
殉職者の碑。昭和28年開通。今年で開通70周年となる。
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