令和3年4月30日
帯広から南に伸びていたかつての国鉄広尾線は、昭和62年に廃線となった。その中間ほどにある忠類駅にやってきた。
ロータリー側はなんとも無機質な感じである。駅前には町工場があるくらいで、駅前のような雰囲気はほとんど感じられない。
しかし裏手に回ればご覧の雰囲気満点の鄙び駅だ。
駅員室の中をのぞいてみる。
黒電話。
廃駅となった前年の昭和61年刊行の本が並ぶ。
何かを失ったが、何を失ったのかが思い出せない。
鄙びの世界。
北海道には廃線が密集している。60年ほど前の北海道が一番鉄道網が発達していた。その当時あった駅は、今では多くが取り壊され、跡形もなくなっている。その中で残っている駅にこうやって会えるのはとても嬉しいことである。