平成29年8月4日
川崎市川崎区、産業道路沿いにあるこの一帯は何やら周辺との毛色がまるで違う。ヒップホッパー好きな友人曰く、ここがPVに出てきて斜めに家が建っており、見てきてほしいとの事だったので散歩しに行った。
首都高湾岸線の高架に沿うようにあるこの町は、辺りが住宅地から工場地帯にうつりきったかどうかという場所にあり、付近の住民でなければまず立ち入ることは無い地区だ。
町の入口にあるコインランドリー。「洗濯以外のご利用はご遠慮下さい」の文字。何かの取引にでも使われたことでもあるのか。
何やら色んな物が道端に置かれていた。粗大ゴミのようだが、粗大ゴミシールは貼られておらず、当然のようにそこに居座っている。
「この先車注意、せまい、車注意軽だけ」ちょうど川崎市の職員2人が何かの調査であろうか、すれ違った。何か少し気まずい気持ちになった。そんな気持ちにさせる雰囲気の漂う町なのだ。
町はこのような細い道が複雑に絡まりあっている。車が通れるような道は数えるほどしかなく、無秩序に張り巡らされた小道に沿って無秩序に家屋が並んでいる。
ふとポケモンGOを開いてみた。当然ここにポケストップやジムは無い。ただ驚いたのは、この地区の形だ。ウネウネした道がたくさんあることがわかるだろう。実際にはこの数倍もの裏路地が形成されており、自転車での通行さえもままなら無い場所なのだ。
間違った「禁」の字。
新しい家屋もあるが、全体としてはこのような建物が建ち並ぶ。
もちろん廃墟も存在する
中を覗くと・・・
どうやらこのお宅も廃墟となっているようだ。建物の一部が崩れてしまっている。政令指定都市の中でも2位の人口密度を誇る150万人都市の川崎にあってもこの有様だ。
コンクリートむき出しの無機質感満載な建物。
住民パワーとはなんだろうか・・・
地区沿いに伸びる歩道。この地区には、太平洋戦争後の混乱期に、どさくさに紛れて大陸からの人達が住み着いてしまったようだ。ぱっと見では日本名の方しか住んでいないようだが、ルーツを辿るとここの人達ではないようだ。
道が細く、迷路のように入り組んでいて、迷ってこの地区から永遠に出られなくらるのは嫌だし、部外者が歩いていてもあまり生きた心地はしないので、ここら辺で散策をやめて帰ることにした。あの独特な空気を放つ町は他にそれほどない・・・。