令和7年3月22日

広島駅の中心部の程近くにある木造旅館、一楽旅館に宿泊した。

活ではこの辺りは遊郭として栄え、この建物自体もそういった建物として、昭和30年に建てられた。

入口周辺。奥が昭和30年建築で、現在の入り口がある手前側の棟は昭和39年の建築。当時は連れ込み宿として使用されていたそう。そういうのもあり、窓のデザインはそれぞれ個性豊かで凝っている。

玄関。

内部。建物は2階建て。1階には浴室等がある。


本日宿泊したのはこちらの中の間。自分以外には、本日は他に白人男性1名が宿泊した。

廊下。

洗面台。電子レンジや冷蔵庫もあった。

そして、このお宿の特徴である回廊部分。

上のトタン屋根は取り外してできるそうで、ここは実は半屋外なのだ。

正面が洗面台。右側に扇型の下地窓。


魚眼レンズで。1階には池があるのが分かる。

手すりのデザインがお洒落。

吹き抜けとなった回廊、非常に開放的だ。当時、お客さん同士がばったり顔を合わせてしまうこともあったかもしれない。


一階の床は一部が更新されていた。


記念撮影。

丸形の下地窓。ヒョウタン、可愛い。

こちらは枠自体がひょうたん型をしている。

反対側から。


こちらは扇型。お部屋は広間を合わせて10部屋。うち、自分が泊った中の間を含む3部屋が、増築前から存在していた。そちらがかつて、遊郭として使用されていたのだという。

お洒落。


萩の間。

布団がチラ見えしているのが良い。

1階にある竹の間。

櫻の間の入口は桜の模様があしらわれていた。

宿主さんに許可をいただいて、他の部屋の中もてくてく。


こちらは松の間。部屋の中に浴室があるのだが…。

押入れのような扉の向こうに浴室が現れるのだから驚いた。


浴室。二人入ったら満杯だ。

階段。

2階のお部屋の入り口部分がポコッと膨らんでいる。

最近は日本人客だけだと持たないから、外国人も迎え入れているという。

そうでもしないと、経営が成り立たないから、とおっしゃっていた。

階段にも目地窓。

踊り場からの眺め、とてもいい。



続いては一階だ。

おぉ。


池を中心にやはり回廊になっている。

見上げる。

そして記念撮影。

夜の広島の街に繰り出した。路面電車。調べたら、昭和前半製造の車両もまだ走っているらしい。探せばよかった…。

だってこんな現代的な町に、昭和30年頃の車両が走っていたら胸がきゅんとしてしまうじゃない…。取ればよかったぜ(写真に写るこちらの車両でも、良い感じではあるけどね)

夜。宿内に会談は2つある。こちらは2つ目の階段だ。

こんな雰囲気なので、宿に泊まる人を選ぶんだ、と宿主さんは仰っていた。

確かに、この美しさに気が付けない人だと、ただの古い宿、と辛口意見を吐き出すかもしれない。そうではなくて、この件乳首が分かる人に泊まってもらいたい、と言っていた。
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宿主さんが言うことは仰る通りだと思う。招かざる客、というのはどの空間においても発生しうる。調べもせずにずかずかと来て迷惑だけを吐き捨てていく人間がいるのはどの界隈でも同じだ。

そういった悲しいことが起きないように、自分のサイトをご覧いただいているような、良識と理解のある方たちに泊まっていただきたいな、と思う。

2階から玄関方面。

夜の、この暗がりも良い。

連れ込み宿は、往事もこのような妖麗な雰囲気を醸していたのであろう。


2階から全天球。クリックして回してみてね。

全国の建築好き、木造旅館好きには堪らない空間だ。


訪問当時、宿泊料金は素泊まり7,700円だった。気になる方は、是非泊りに行ってみてほしい。